みなさんが「もし、私がガンになったら……」と想像されるとしたらやはり、「助からない」、「死にいたる病気」というように思ってしまうのではないでしょうか。日本人の死因をみると、1979年〜80年を境にガンはトップになり、現在も死亡率は上昇傾向にあります。
それでは「ガン」とはどんな病気なのでしょう。ひと言でいえば「細胞の病気」といえるでしょう。生物のからだを構成しているのは細胞です。多くの細胞が集まって、血管や内臓、骨など人体の各部分をつくりますが、これは「指令」にもとづいて、個々の細胞が個々の部位をつくるのです。
ところが、この「指令」にもとづかず、勝手に増殖する細胞があり、これが「ガン」をひき起こします。正常な細胞だと、隣の組織に接すると増殖を止めますが、この反乱細胞(ガン細胞)はどんどん侵入し増殖をつづけます。こうなると、いろいろな臓器や組織は本来の役割りを果たせなくなってしまいます。そして、この「反乱軍」は神経を傷つけて運動機能を妨げて痛みをまねいたり、「反乱軍」つまりガン自体が神経を圧迫して痛みをまねいたりします。
もともと人間の細胞には、正常ではない細胞がありますし、正常な細胞が化学物質などの刺激で変化することもあり、一〜二個の細胞が、その細胞本来の動きとはちがうことをすぞことがあります。しかし、数が少なければ抑制されてしまいます。しかし、老化、病気、生活環境、その他から、からだの機能が弱くなっていると、ガン細胞が拡がってしまいます。
細胞をコントロールするのは、遺伝子なので、ガンは遺伝子とも密接に結びついています。遺伝子には、ガン遺伝子とともに、逆にガンを防止しているガン抑制遺伝子もあります。よく、「親がガンだと、子どももガンになりやすい」ということを耳にしますが、なりやすい体質、・なりやすい生活環境という意味に解釈するとよいでしょう。
さて、ガンになると短期間で死んでしまうと思われがちですが、いまはガンでも半分以上の人が助かっています。治療をして五年間に異常がなければ、ごく例外的なガンを除いて、再発の危険はないとされているので、「五年生存率」というのが目安になっています。
ガンの進行度はガンの種類によって多少表現がちがいますが、次のようになります。
・0期ー粘膜などに限られている。100%回復。
・1期ー早期ガン。ガンが組織内にとどまっている状態。
・2期ー中期ガン。隣のリンパ節などに進出をはじめた段階。
・3期ー進行ガン。転移をはじめたガン。ガンがひろがった状態。
・4期ー同じく進行ガン。本格的な進行ガンで、治すのは困難。
日本がん学会がまとめた国立がんセンター病院のデータによると、胃ガンの5年生存率は1期92%、2期74%、3期46%、4期6%となっています。子宮頸ガンも、同じ順に、90%、78%、38%、16%で、4期になるとがくんと生存率が低くなることがわかります。
症状が出る2期、3期でも半数以上(平均で)は助かります。だからこそ、定期検診を受けたり、「ふだんの体調」が悪いようでしたら念のため診察を受けるなどして、ガンの早期発見・早期治療に努めることが重要になってきます。ただし、神経質になりすぎないで正確な知識と安定した心境を保たないと、ガンノイローゼになってしまい、そのこと自体で「不幸」に陥ることになります。